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3.危機管理体制

危機管理体制の整備・充実

2001年9月の米国における同時多発テロの発生、企業不祥事がもたらす経営悪化など、社会の危機管理に対する意識が高まるなか、九州電力は、事業運営に重大な影響を及ぼすさまざまな危機に対処することを目的に、2002年9月、「危機管理規程」を制定するとともに、社内における情報連絡・対応体制を整備した。
2003年3月の米国などによるイラクへの武力攻撃開始にともなう情勢悪化や2009年4月のメキシコなどにおける新型インフルエンザの発生時には、対策組織を設置し、社内における情報連絡を徹底するとともに、必要な対策を実施することで、適切に対処した。

2011年3月の東日本大震災による東京電力福島第一原子力発電所事故の影響に伴い停止した原子力発電所の再稼働の遅延、経済産業省主催の県民説明番組への意見投稿呼びかけ問題(いわゆる「メール問題」)による信頼の喪失など、これまでに経験の無い事態が当社の経営に大きな影響を及ぼした。
このように、当社を取り巻く危機が多様化、複雑化し、かつてない規模とスピードで進展していく中、従来の対応体制では十分な対応が困難になるとの考えのもと、様々な危機に備えるため、2012年に全社的な危機管理体制の再構築を実施した。
具体的には、全社の危機管理を統括する危機管理官(副社長)及び本店各本部等に危機管理担当(部長級)を設置した。
また、「リスク・危機管理対策会議」を設置し、リスク管理と危機管理との連携や危機発生時における対応策について、部門横断で検討を行うとともに、専門的・先進的な知見を有する社外専門家による支援体制を整備するなど、危機管理体制の充実を図った。

その後、2016年4月の熊本地震による黒川第一発電所設備損壊事象や再生可能エネルギーの導入拡大に伴う全社的対応、原子力発電所再稼働に向けた対応、更には、新型コロナウイルス感染症流行時の感染防止と事業継続など、危機管理体制の下で全社一丸となって対応してきた。